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赤尾宣彦

加算税の体系を説明します

加算税について説明したいと思います。


■概要

加算税は、申告納税方式による国税について、法定申告期限までに適正な申告がなされない場合、及び源泉徴収等による国税について、法定納期限までに適正な納付がなされない場合に、その申告又は納付を怠った程度に応じて課されるものであり、申告又は納付の義務違反に対する一種の行政制裁の性格を有するものです。 なお、不適正な申告ないし納付が、ほ税犯、無申告ほ脱犯又は不納付犯に該当するときは、併せて刑事罰が科されることとなります。 加算税制度は、各税に共通的な事項であることから通則法に規定されており、次のように分類されます。


イ) 申告納税方式による国税……過少申告加算税、無申告加算税 及び 重加算税


ロ) 源泉徴収等による国税……不納付加算税 及び 重加算税


■種類

イ:過少申告加算税

申告期限内に納税申告書が提出された場合等において、修正申告書の提出又は更正があったとき


ロ:無申告加算税

(イ) 申告期限までに納税申告書を提出しないで、期限後申告書の提出又は決定があった場合

(ロ) 期限後申告書の提出又は決定があった後に、修正申告書の提出又は更正があった場合


ハ:不納付加算税

源泉徴収等により納付すべき税額を法定納期限までに納付されなかった場合で、法定納期限後に納税の告知を受けた場合又は納税の告知前に納付した場合


ニ:重加算税

上記イないしハの加算税の要件に該当し、課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実を隠蔽又は仮装していた場合

※重加算税は、他の加算税に代えて課されるので、同一本税額に対して併課されない。





■過少申告加算税が課されない場合

(イ) 正当な理由がある場合

過少申告加算税は、修正申告又は更正に基づき納付すべき税額に対して課されるのであるが、その納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちにその修正申告又は更正前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて「正当な理由があると認められる場合」には、その部分について課されない。

(ロ) 減額更正後に修正申告書の提出又は更正があった場合

修正申告又は更正前に、期限内申告書の提出により納付すべき税額を減額させる更正又は期限内申告書に係る還付金の額を増加させる更正などがあった場合には、修正申告等により納付すべき税額のうち、期限内申告書に係る税額に達するまでの税額については、過少申告加算税は課されない。

(ハ) 更正を予知しないでした修正申告の場合

修正申告書が提出された場合に、その提出が、その申告に係る国税の調査があったことにより、その国税について更正があるべきことを予知してされたものでないとき、すなわち、納税者の自発的意思によってされた修正申告書の提出であるときは、調査通知以後に更正を予知しないでした修正申告の場合を除き、その納付すべき税額に過少申告加算税(加重分を含む。)は課されない。


■無申告加算税が課されない場合

(イ) 正当な理由がある場合

無申告加算税は、期限内申告書の提出がなかったことについて「正当な理由があると認められる場合」には課さないこととされている。

(ロ) 法定申告期限内に申告する意思があったと認められる場合 期限後申告書の提出があった場合において、その提出が、当該国税に係る調査があったことにより決定があるべきことを予知してされたものでなく、期限内申告書を提出する意思があったと認められる一定の場合(注)に該当してされたものであり、かつ、当該期限後申告書が法定申告期限から1月を経過する日までに提出された場合には、無申告加算税は課されない。


(注) 期限内申告書を提出する意思があったと認められる一定の場合とは、次のいずれにも該当する場合をいう。

① 自主的な期限後申告書の提出があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、その期限後申告書に係る国税の税目に属する税目について、期限後申告書の提出又は決定を受けたことにより無申告加算税又は重加算税を課されたことがない場合で、かつ、無申告加算税の不適用の規定の適用を受けていない場合

② ①の期限後申告書に係る納付すべき税額の全額が法定納期限までに納付されていた場合


■不納付加算税が徴収されない場合

(イ) 正当な理由がある場合

不納付加算税は、納税の告知又は納付に係る国税を法定納期限までに納付しなかったことについて「正当な理由があると認められる場合」には、徴収されない。


(ロ) 法定納期限内に納付する意思があったと認められる場合

源泉徴収等による国税が納税の告知を受けることなくその法定納期限後に自主的に納付された場合において、その納付が、法定納期限までに納付する意思があったと認められる一定の場合(注)に該当してされたものであり、かつ、当該国税がその法定納期限から1月を経過する日までに納付されたものであるときは、不納付加算税は徴収されない(通則法67③)。


(注) 法定納期限までに納付する意思があったと認められる一定の場合とは、その納付に係る法定納期限の属する月の前月の末日から起算して1年前までの間に法定納期限が到来する源泉徴収等の国税について、次のいずれにも該当する場合をいう。

① 納税の告知を受けたことがない場合

② 納税の告知を受けることなく法定納期限後に納付された事実がない場合


■重加算税の適用除外

過少申告加算税については、納税者に隠蔽又は仮装の事実があっても、調査による更正を予知しないで自発的に修正申告書の提出をした場合には、過少申告加算税が課されない、又は軽減されるが、この場合には重加算税も課されない。

同様に、無申告加算税又は不納付加算税についても、これらの税が課されない場合、又は徴収されない場合及び軽減される場合には、重加算税は課されないし、又は徴収されない。





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