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赤尾宣彦

【労務】産前産後休業期間中に係る保険料免除の取扱いについて

厚生労働省から、新着の通知(令和4年9月15日掲載)として、「健康保険、船員保険及び厚生年金保険の産前産後休業期間中の保険料免除等の取扱いについて(令和4年9月13日保保発0913第2号・年管管発0913第1号)」が公表されました。健康保険、船員保険及び厚生年金保険の産前産後休業期間中の保険料免除等の取扱いについては、これまでは、平成26年の事務取扱通知に基づき取り扱われてきたところですが、令和4年10月1日からは、この通知(通達)により実施することとし、平成26年事務取扱通知は廃止するとのことです。


■健康保険、船員保険及び厚生年金保険の産前産後休業期間中の保険料免除等の取扱いについて


第一 制度の概要

1:産前産後休業期間中の保険料免除及び産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定について

産前産後休業(以下「産休」という。)をしている健康保険、船員保険及び厚生年金保険の被保険者(以下「被保険者」という。)については、総合的な次世代育成支援対策を推進する観点から、産休期間中の保険料を免除することができることとされており、併せて産休を終了した日(以下「産休終了日」という。)の翌日が属する月以後3月間に受けた報酬の平均(船員保険においては、産休を終了した日の翌日の報酬)を基準として標準報酬月額を改定(以下「終了時改定」という。)することができることとされている。


なお、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業等(以下「育児休業等」という。)をしている被保険者に対しては、別途の制度(育児休業等期間中の保険料徴収の特例、育児休業等を終了した際の改定)が設けられている。


2:産休の範囲について

産休の範囲は、次のとおりである。

①健康保険・厚生年金保険の被保険者

出産※の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の日後56日までの間で、妊娠又は出産に関する事由を理由として労務に従事しない期間とされている健康保険法(大正11年法律第70号)第43条の3、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第23条の3。


②船員保険の被保険者

妊娠中及び出産の日後56日までの間で、妊娠又は出産に関する事由を理由として労務に従事しない期間(船員保険法(昭和14年法律第73号)第19条の2)

※出産…妊娠85日(4か月)以上の分娩をいい、早産、死産、流産及び人工妊娠中絶を含む。


第二 産休期間中の保険料免除の取扱いについて

1:保険料免除の申出

(1)産休期間中の保険料免除の申出については、事業主又は船舶所有者(以下「事業主等」という。)が「健康保険・厚生年金保険産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届(別紙1)」又は「船員保険・厚生年金保険産前産後休業取得者申出書(別紙2)」(以下「申出書」という。)を当該産休期間中又は終了後の一定期間中(産休終了日から起算して1月以内)に日本年金機構又は健康保険組合(以下「機構等」という。)に提出すること(電子申請により提出する場合を含む。)により行うものであること。


(2)当該産休終了日から一定期間を経過した後(産休終了日から起算して1月を経過した日後)に申出書を提出する場合においては、理由書等(必要に応じて当該書類等を補完する資料)を添付するものであること。


2:保険料の免除期間

保険料の免除期間については、産休を開始した日の属する月から産休終了日の翌日が属する月の前月までとすること。育児休業等の期間と産休期間が重複する場合は、産休期間中の保険料免除が優先されることから、育児休業等から引き続いて産休を取得した場合は、産休を開始した日の前日を育児休業等の終了日とすること。この場合において、健康保険法施行規則(大正15年内務省令第36号)第135条第2項、厚生年金保険法施行規則(昭和29年厚生省令第37号)第25条の2第3項及び船員保険法施行規則(昭和15年厚生省令第5号)第161条第2項に規定する育児休業等の終了時の届出は不要であること。


3:産休取得者の確認通知

機構等は、申出書により当該被保険者が産休取得者であると確認したときは、その旨を事業主等に通知するものであること。


4:産休期間の変更又は終了に係る届出

事業主等は、1の申出に係る事項に変更があったとき又は産休終了予定日の前日までに産休を終了したときは、速やかに、「健康保険・厚生年金保険産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届(別紙1)」又は「船員保険・厚生年金保険産前産後休業取得者変更(終了)届(別紙3)」を機構等に届け出るもの(電子申請により届け出る場合を含む。)であること。


5:例外的に保険料免除が終了した場合の通知

機構等は、4の届出により産休取得者の産休期間の終了を確認したときは、その旨を事業主等に通知するものであること。

なお、産休期間中に被保険者資格を喪失した場合については、終了に係る通知は要しないものであること。


第三 産休を終了した際の標準報酬月額の改定について

1:終了時改定の申出

終了時改定の申出は、「健康保険・厚生年金保険産前産後休業終了時報酬月額変更届(別紙4)」又は「船員保険・厚生年金保険産前産後休業終了時報酬月額変更届(別紙5)」(以下「変更届」という。)を被保険者が事業主等を経由して機構等に届出すること(電子申請により届出をする場合を含む。)により行うものであること。


2:報酬月額の算定

(1)健康保険及び厚生年金保険の報酬月額は、産休終了日の翌日が属する月以後3月間(支払基礎日数が17日(健康保険法施行規則第24条の2及び厚生年金保険法施行規則第9条の7に定める者にあっては11日。以下同じ。)未満である月は除く。)に受けた報酬総額をその期間の月数で除して得た額とすること。


改定された標準報酬月額は、産休終了日の翌日から起算して2月を経過した日の属する月の翌月からその年の8月(当該翌月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とすること。


(2)船員保険の報酬月額は、産休終了日の翌日の報酬を基準として算定し、産休終了日の翌日が属する月の翌月(産休終了日の翌日が月の初日であるときは、その月)から標準報酬月額を改定すること。


当該改定された標準報酬月額をその後の勤務時間その他の勤務条件の変更により改定する場合は、「船員保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届(産前産後休業用)(別紙6)」を必ず船舶所有者から提出させること。


なお、この場合の報酬月額の算定については、「勤務時間その他の勤務条件に変更のあった日」の報酬を基準として算定し、その変更のあった日が属する月の翌月(その変更のあった日が月の初日であるときは、その月)から改定すること。


3:標準報酬月額の改定の該当通知

標準報酬月額の改定をしたとき、その旨を事業主等に通知するものであること。


4:その他

(1)産休終了日の翌日の属する月以後の3月間の支払基礎日数がいずれも17日未満である場合等、上記以外に係る産休を終了した際の標準報酬月額改定における取扱いについては、定時決定における取扱いに準ずること。


(2)終了時改定については、健康保険法第189条、船員保険法第138条及び厚生年金保険法第90条に規定する標準報酬に関する処分にあたるため、同法に基づく審査請求の対象となること。


第四 その他

1:産休による保険料免除該当者のある事業所等の総合調査等を行う場合は、産休の事実関係及び被保険者の実質的使用関係の存続を確認すること。


2:令和4年10月1日以降に本通知における申出を行う際、現にある平成26年事務取扱通知による別紙の様式等を使用する場合においては、当分の間、これを取り繕って使用することができるものであること。


3:令和4年9月30日以前に行った産休期間中の保険料免除の申出については、従前の取扱いによること。



詳しくは、こちらをご覧ください。



参照ホームページ[厚生労働省]

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